目次
初夢の意味
1-1. いつ初夢を見るのか?
1-2. 初夢で運勢を占う方法
吉夢とは何か?
2-1. 一富士・二鷹・三茄子の意味
2-2. 四扇・五煙草・六座頭の意味
2-3. 逆夢としての解釈
吉夢を引き寄せるための伝統的な習慣
3-1. 初夢枕紙の使用
3-2. 獏の絵か字を使った夢占い
不吉な夢の対処法3選
4-1. 宝船の絵を水に流す
4-2. “昨夜の夢は獏にあげます” と唱える
4-3. 神社やお寺で夢納めを行う
まとめ
新しい年の運勢を占う初夢。
初夢についての詳細、いつ初夢を見るべきか、一年の運勢を占う方法、吉夢の具体的な要素、伝統的な方法、悪い夢に対処する方法について解説します。
幸運を引き寄せて、新しい年を良いスタートで迎えましょう。
初夢の意味
1-1. いつ初夢を見るのか?
初夢は、新年の1月1日か2日に見る夢を指します。
元々、初夢は鎌倉時代には2月2日から2月3日の立春までに見る夢を指していました。しかし、新暦が導入されると、大晦日から1月1日の朝までに見る夢を指すように変化しました。
さらに、大晦日に夜更かしをする習慣が広まると、初夢は1月1日の夜に見る夢を指すようになりました。また、1月2日に書き初めや初商売を始めることから、1月2日の夜に見る夢も初夢とされています。
要するに、1月1日か1月2日に見る夢、または新年になって初めて見た夢を初夢と考えます。
1-2. 初夢で運勢を占う方法
日本では、古くから初夢に登場した要素を元に1年の運勢を占う習慣があります。縁起の良いものが夢に現れた場合、その年が幸運であると考えられ、逆に不吉なものが出てきた場合は注意が必要とされてきました。
オーストラリアの精神科医ジークムント・フロイトが1900年に「夢判断」を発表する以前から、日本では夢を通じて吉凶を占う考えが広まっていました。江戸時代には夢占いに関する書物も出版され、夢占いの習慣が根付いていたことがわかります。
吉夢とは何か?
2-1. 一富士・二鷹・三茄子の意味
初夢で見られる吉夢の代表的な要素として、「一富士・二鷹・三茄子」ということわざがあります。
一番目の「富士山」は、日本で最も高い山であり、高い目標や立身出世を象徴します。
二番目の「鷹」は大空を力強く舞う鳥で、行動力や自由、願望の実現を表現します。
三番目の「茄子」は「事を成す」という意味があり、貯金が増えたり子孫繁栄を象徴します。
2-2. 四扇・五煙草・六座頭の意味
「一富士・二鷹・三茄子」に続く4番目以降の要素として、「四扇・五煙草・六座頭」という言葉も存在します。江戸時代の国語辞典に記載されています。
四番目の「扇」は、別名「末広」とも呼ばれ、末が広がっていることから繁栄を象徴し、幸運を意味します。
五番目の「煙草」は、煙が上昇する様子が運気の上昇を暗示しています。
六番目の「座頭」は、髪の毛を剃った琵琶法師を指し、座頭が「毛がない(=怪我ない)」とかけて縁起が良いとされています。
2-3. 逆夢としての解釈
4番目以降の言い伝えとして「四葬礼五火事」という要素も存在します。これは不吉なものを逆夢として縁起がいいとする説です。
四番目は葬式、五番目は火事を指し、これらの要素は逆夢として解釈されることもあります。逆夢とは、現実とは逆の出来事が起こる夢を指します。
地域や文献によって異なる解釈が存在しますが、初夢は新しい年の始まりを象徴するものであるため、葬式など物事の終わりを意味するものは、新しいことが始まる前触れとして吉夢とも考えられています。
吉夢を引き寄せるための伝統的な習慣
3-1. 初夢枕紙の使用
日本では、古くから夢は神仏によって与えられるものと信じられていたため、一部の人々しか夢を見ることができないと考えられていました。
しかし、室町時代に入ると夢が庶民にも見ることができるものと認識され、夢占いや良い夢を見る方法が広まりました。その中でも、良い夢を見るための方法として現代にも伝えられているのが「初夢枕紙」です。
これは、寝るときに、七福神が乗った宝船の絵や特定の回文を書いた紙を枕の下に置くと、吉夢を見ることができるとされています。回文は上から読んでも下から読んでも同じ文章になることから、復元の力を持つと考えられていました。
江戸時代には、初夢用の宝船の絵図を販売する「宝船売り」という商売も存在しました。
3-2. 獏の絵か字を使った夢占い
獏(ばく)の絵や「獏」という文字を枕の下に置いて寝ると、良い夢を見ることができるという言い伝えがあります。獏は、古代中国から伝わる伝説上の生き物で、その皮を枕の下に置くと、邪気や疫病を払うと信じられていました。
また、獏は悪夢を食べてくれるとも言われ、宝船の絵図には「獏」の文字が描かれることもありました。現代でも、獏の絵か文字を枕の下に置くと、良い初夢を見るとされています。
悪い夢に対処する方法3選
4-1. 宝船の絵を水に流す
悪い初夢を見た場合、枕の下に置いていた宝船の絵を水に流すと良いとされています。これは、宝船の絵を水に流すことで、悪運も一緒に流れ去ると考えられているためです。
以前は宝船の絵を川に流すことが一般的でしたが、現代では環境保護の観点から川に流すことは難しいこともあるため、台所や洗面台などを使って水で流すことも行われています。
4-2. “昨夜の夢は獏にあげます” と3回唱える
悪い初夢を見た場合、”昨夜の夢は獏にあげます” と3回唱えると、その悪い出来事を消し去ってくれると信じられています。この言葉は地域や時代によって微妙に異なる表現もありますが、共通して獏が登場することが多いです。
獏は伝説上の生き物で、悪夢を食べてくれるという伝承からこの習慣が生まれたと考えられています。獏と実在の動物である獏を混同しないように注意が必要です。
4-3. 神社やお寺で夢納めを行う
悪い初夢を見た場合、神社やお寺で「夢納め」と呼ばれる儀式を行う習慣があります。夢納めは、悪い夢を神社やお寺に持ち込み、浄化してもらうという考えに基づいています。
愛知県知多郡南知多町にある影向寺(ようごうじ)など、特定の寺院では獏の御朱印をいただくことができます。この御朱印は悪い夢を食べてくれると信じられており、夢納めに訪れる人々に提供されています。
まとめ
初夢は普段の夢と異なり、新しい年の始まりを象徴する特別な夢です。吉夢を引き寄せるためには、初夢枕紙や獏の絵や文字を使うことが一般的です。また、悪い初夢を見た場合でも、宝船の絵を水に流す、特定の言葉を唱える、神社やお寺で夢納めを行うなどの伝統的な方法があります。
初夢を通じて吉凶を占い、幸運を引き寄せる風習は、日本の豊かな文化の一部であり、新しい年の始まりを祝福し、成功と繁栄を願う慣習です。ぐっすりと眠り、良い初夢を見ることで、新しい年を良いスタートで迎えることができるでしょう。